3Dプリンター Labists ET4の問題
給付金で購入したLabists ET4ですが、ファームウェアアップデートが出ていなかったり、静音化改造などができなかったりなど、Enderのような改造ができない状況があり、さらにそのままでは、USB接続が動かない、OctPrintでのWifi化ができないなどの状況があるようです。
Labists ET4の改造の可能性
これはLabists社の姿勢に問題があるのですが、Labists ET4はどうやらOEM製品のようで、姉妹機にAnet ET4というのがあります。
Anet ET4ですと、ファームウェアアップデートがされていたり、静穏化マザーなどが販売されていたりしますので、Labists ET4でもUSB接続やOctPrintの可能性がでてきます。
Anet ET4のリソース利用の課題
Anet ET4のリソースを使って、Labists ET4を改造するためには、いくつかの課題があります。
(1)Labists社は、Anet ET4のファームを適用すると壊れるといっている
うそか本当か、Anet ET4のファームは利用できないと言っています。ただ、ほぼAnet ET4らしいので、どこまで使えて、どこまで使えないのか、本当に壊れるのかは謎、というところです。英語でググってみましたが、Anet ET4のリソースを使った事例は、YouTubeの岡ちゃんねるさんが、Anet ET4 Proのマザーボードをインストールして静穏化に成功したといっている情報のみです。
(2)Anet ET4には4種類ほどある
Anet ET4には4種類ほどのハードウェアがあるようです。
・Anet ET4 (旧機種)
・Anet ET4(現行機種。ET4+なのか?)
・Anet ET4 X
・Anet ET4 PRO
(3)結局、どのマザー、どのファームが使えるのかがわからない。またスライサーの設定も必要となる可能性がある
岡ちゃんねるさんは、このうちAnet ET4 PRO用のマザーに交換したようですが、どこまで正確に動いているのかは、動画の範囲ではわかりません。
Anet ET4のなかでも、マザーを交換すると、原点の調整など、スライサー側での調整が必要との情報もあり、単純に交換で成り立つものではなさそうです。
また販売されているマザーは、ほぼ見た目は変わらないようですが、一部チップやファームが異なっているようで、どの機種のものが使えるのかを見定めなくてはなりません。また、Anet社は、販売されているマザーでは、旧ET4は動かないといっているようで、どこまでどういった互換性があるのか、またAnet社のファーウェアはどこまで使えるのかがわからないというのが現状です。
Anet ET4の仕様を調べ見る
ということで、Anet ET4の仕様をちょっと調べてみました
(1)Anet ET4
- Product Dimension: 440*340*480mm
- Screen: 2.8 inch Color Touch Screen
- Nozzle Diameter: 0.4mm
- Power Supply: 110V/220V AC 240W
- Slicing Software: Cura, Repetier, Simplify3D
- Data Input Format: STL, OBJ, JPG
- Data Output Format: Gcode
- Operating System: Windows, MAC
- Language: English/Chinese
- Connectors: USB/TF Card
- Main Frame: All Metal Frame
- Packing Dimension: 480*455*210mm
- Net Weight: 7.2±0.2kg
- Gross Weight: 8.8±0.2kg
(2)Anet ET4 X
- Language: English/Chinese/French
フランス語サポートだけが違うのかと思いきや、Auto Leveling機能がないようですね。もしかしたら、ET4 XがET4旧機種なのかもしれません。
(3)Anet ET4 PRO
- Power Supply: 110V/220V AC 350W
消費電力がややあがっているようです。マザー交換をする場合は、消費電力の違いが何からきているのか、Labists ET4との違いも確認する必要がありそうです。
Webページに書かれている範囲では、Power Supplyのメーカがかわっているようで、Labists ET4のPower Supplyともちがっているようです。Meanwell社のPower Supplyをつかっていて、LRS-360-24という型番のもののようです。消費電力の違いは、単純にPower Supplyの仕様の違いからくるもののような気もします。
またヘッド形状やレベルセンサーの形状もAnet ET4や、ET4 Xとはちがっているようです。
一方で、Labists ET4とは、ヘッド形状やレベルセンサーは一緒のように見えます。
ベッドのレベル調整ノブの形状もLabists ET4と同じようです。
ただし、Labists ET4では静音チップが使われていない一方で、Anet ET4 Proは静音のモータステッパーチップのTMC2208が使われており、その点がLabists ET4とは異なるようです。
Anet ET4とLabists ET4の互換性
以上から、Labists ET4は、ハードウェアではほぼAnet ET4 Proと共通のようですが、マザーボードに乗っているモータステッパーチップが違っている、というところかと思います。
そのため、単純にAnet ET4 Pro用のファームウェアで書き換えが可能かは、モータドライバーチップが異なるため、謎のままです。
一方で、ヘッド形状などがAnet ET4 Proと同じなので、岡ちゃんねるさんで、Anet ET4 Pro用のマザーと交換すれば動いたというのは、ほぼ正解という感じです。しかしながら、Power Supplyが今のままでいいか、という点が謎です。単に信頼性の問題だけかもしれません。
結論
Labists社に最新のファームが欲しい旨を連絡していますが、担当者により対応が異なるようです。UBSプリントが可能な最新ファームがLabists社から得られればよいのですが、そうでない場合、いままでどおり、SDカードで使い続けるか、マザーボードを ET4 Pro用に換装した上で、ファームを最新にして使うか、との選択肢となるようです。
ちなみにET4 Pro用のファームウェアは、現在V3.0.0.1となっており、日本語ユーザインターフェース、SDカード上のサブフォルダがサポートされるようになったようです。また、その一つ前のバージョンでは、オートレベル機能の問題を解決しているようです。
ちなみに、Anet ET4 Proが日本語対応したのが2021年1月27日なので、すでに日本語対応しているLabists ET4のファームウェアとはやはり別ものといっていいでしょう。
そのため、Labits ET4のマザーボードのまま、Anet ET4 Pro用のV3.3.0をインストールするというのは、相応のリスクがあります。だれか試しにやってくれないぁなぁ・・・ww