2021年9月21日火曜日

VORONとは何か

 最近YouTubeを見ているとVORONプロジェクトの設計したVRON 2.4等の3Dプリンターの動画が目立つようになってきました。

 Voronプロジェクトは、「真の家庭用マイクロ製造機」の設計を目的として、AppleのエンジニアであるMaksimZolinによって2015年に設立されました。

 Voronプロジェクトは、オープンソースの3Dプリンターとなり、製品は提供されていません(パーカーとTシャツくらいです)。

Voronプロジェクトの提供する設計は、Voron0.1、Voronトライデント(旧Voron1)、Voron2.4, VORON スイッチワイヤーなどがあます。動画では、CoreXYデザインのVoron2.4の動画が目立ちます。

Voron Designの特徴

まず、エンクロージャーを含めた設計となっておりABS等の印刷のむずかしいものへ対応している点があげられます。

つぎに、動作には汎用の3Dプリンターコントロールボードを使いつつも、Klipperファームウェアを使用します。Klipperは、計算量の多いすべてのタスクにRaspberry Piを使用し、前処理されたオーダのリストをコントローラーボードに送信します。

これにより、使用するコントロールボードに関係なく、入力シェーピング(リンギングを低減するため)などのより複雑な機能を追加できます。

汎用のボードは次のものが選べるようです。

SKR 1.3
SKR 1.4
SKR mini e3 V1.2
SKR mini e3 V2.0
FLY FLYF407ZG
Fysetcスパイダー

あと組み立てに必要なKitは、Voronプロジェクトから購入するのではなく、Aliexpressなどで別の会社から提供されます。印刷物の部品は別売りのケースが多いようです。


なお、Klipperには次の特徴があります。

Klipperは、複数のマイクロコントローラーを備えたプリンターをサポートします。たとえば、1つのマイクロコントローラーを使用して押出機を制御し、別のマイクロコントローラーを使用してプリンターのヒーターを制御し、3番目のマイクロコントローラーを使用してプリンターの残りの部分を制御できます

Klipperは、押出機内の圧力の影響を説明するメカニズムである「SmoothPressureAdvance」をサポートしています。これにより、押出機の「にじみ」が減少し、印刷コーナーの品質が向上します。Klipperの実装では、押出機の速度が瞬時に変化することはなく、全体的な安定性と堅牢性が向上します。 

Klipperは、振動が印刷品質に与える影響を軽減するための「入力シェーピング」をサポートしています。これにより、プリントの「リンギング」(「ゴースト」、「エコー」、または「リッピング」とも呼ばれます)を低減または排除できます。

Klipperは、ほとんどのコードに非常に高水準の言語(Python)を使用しています。キネマティクスアルゴリズム、Gコード解析、加熱およびサーミスタアルゴリズムなどは、すべてPythonで記述されています。これにより、新しい機能の開発が容易になります。 

カスタムプログラム可能なマクロ。新しいGコードコマンドは、プリンター構成ファイルで定義できます(コードを変更する必要はありません)。これらのコマンドはプログラム可能であり、プリンターの状態に応じて異なるアクションを生成できます。 

組み込みのAPIサーバー。Klipperは、標準のGコードインターフェイスに加えて、豊富なJSONベースのアプリケーションインターフェイスをサポートしています。これにより、プログラマーはプリンターを詳細に制御して外部アプリケーションを構築できます。

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